夫の浮気が発覚してからというもの、私の日常はまるで崩れ去った家のように不安定な状態です。
54歳という年齢に差し掛かると、子育てが一段落し、少しずつ夫婦としての時間を持つことができると思っていた矢先のことでした。
数ヶ月前、夫が夜遅くに帰宅することが増えていき、最初は仕事が忙しいのだろうと自分に言い聞かせていました。
しかし、最近になって、彼のスマートフォンに見覚えのない名前の女性からのメッセージが届いているのを見てしまったのです。
心臓が止まりそうになりながらも、証拠を集めることにしました。
私たちは長い間、家族として過ごしてきました。
子どもたちが巣立ち、ようやく二人の時間を楽しめると思っていた矢先の裏切り。
夫婦関係が冷え込んでいったのは事実です。
子育て中心の生活から、夫婦としての愛情やコミュニケーションが希薄になり、その隙間に他の誰かが入ってきたのではないかと思うと、胸が苦しくなります。
冷静に考えれば、私たちの関係が変わってしまったのは私にも責任があるのだと分かっていますが、夫の裏切りを受け入れることができません。
この状況をどうにかしなければと、私は夫に問いただすことにしました。
しかし、どこで話し合えばいいのか、それすらも悩みます。
家庭の居場所であるリビングで話すべきなのか、それとも外で静かに話をするべきなのか。
私たちの居場所である家が、今ではまるで戦場のように感じられ、そこで話をすることが怖いのです。
周りの家族や友人に相談することも考えましたが、私にはその勇気がありません。
周囲の人々は私たち夫婦が良好であると思っているでしょうし、特に子どもたちに心配をかけたくありません。
私は、熟年離婚を考えることもあります。
子どもたちが自立した今、私は自分の人生をどう生きるべきかを考えざるを得なくなりました。
しかし、踏み切れない理由もあります。
夫との思い出がたくさん詰まった家を手放すことや、これからどうやって生活していくのかという不安が頭をよぎります。