公園のベンチに座り、夜空を見上げると無数の星々が瞬いているのに、私の心は重く沈んでいた。
周囲には数組のカップルや友人同士が笑い声をあげているけれど、私の心の中はまるで暗い霧に包まれているかのよう。
私が今抱えている不安は、これまでの人生で感じたことがないほど深刻だった。
彼とはSNSで知り合い、最初は軽い気持ちでメッセージをやり取りしていた。
共通の趣味や価値観が見つかり、次第にリアルで会うようになった。
彼の優しさやユーモアに惹かれ、いつしか心を通わせるようになった。
でも、付き合いが進むにつれて、彼の収入の低さが私の心に影を落とし始めた。
彼は今、安定した職を持っていない。
フリーランスの仕事をしているものの、収入は不安定で、月によって大きく変動する。
私は28歳という年齢に、将来への焦りを抱えていた。
友人たちは次々と結婚や出産を考え始め、私もいつかはそんな未来を描きたいと思うけれど、彼との将来が見えない。
先日、彼と将来のことについて話をしたとき、彼は今の仕事を続ける意欲を示していたが、具体的なプランが見えないことが不安を増幅させる。
私は彼を支えたいと思う一方で、自分自身の将来や生活の安定も考えなければならない。
友人には彼のことを紹介し、みんなからは素敵な人じゃないと言われるけれど、彼の収入のことを話すと、それは大変だねと同情される。
周囲の期待と現実のギャップに、私の頭の中は混乱していた。
家族も心配していて、最近は結婚はどう考えているの?という質問が増えた。
私が彼を選んだ理由を説明することはできるけれど、収入のことをどう言えばいいのか、うまく言葉が見つからなかった。
夜の公園で一人泣いたこともある。
彼にもそんな姿を見せたくないと思っていたし、自分の不安を彼にぶつけることができずにいた。
私の心の中には、彼と一緒にいたいという気持ちと、将来への恐れが交錯していた。
彼が好きだからこそ、彼の不安定な状況を受け入れることができず、自分自身を責めることもあった。