最近、夫が定年を迎えることを考えると、私の心の中には不安が広がっています。
私たちは長い間、子育てや仕事に忙殺されてきましたが、今や子供たちもそれぞれ巣立ち、夫婦二人の生活が待っているのに、まるで新しい世界に放り出されたような気持ちです。
ある日の夕食時、夫がふとこれからどうする?と呟いた瞬間、私は胸が締め付けられる思いでした。
その日は、夕方6時頃、台所で夕食の支度をしていました。
カレーを作っていたのですが、香りが漂う中で、夫が仕事の疲れを感じている様子が伺えました。
平日はほとんど顔を合わせることもなく、休日もゴルフや友人との付き合いで忙しい彼。
私たちは共に過ごす時間が少なくなり、どこか他人のような感覚すら持ち始めていました。
私も自分のキャリアに追われ、家庭のことをおろそかにしてきたことを反省していた矢先だったのです。
夫のその言葉は、私にとっての警鐘でした。
私たちの関係がこのままではいけないと強く感じました。
そこで私は、夫と話し合うことを決めました。
週末に二人でゆっくりと過ごす時間を設け、お互いの気持ちをじっくりと語り合うことにしたのです。
しかし、心の中では不安が渦巻いていました。
もしこの話し合いで、夫が自分の将来に何も考えないと言ったらどうしようと、悪い想像ばかりが膨らんでしまいました。
実際の話し合いでは、夫は定年後の生活に対する期待と同時に不安を抱えていることが分かりました。
彼は長年の仕事を通じて自己を確立してきたため、仕事がなくなることに恐怖を感じていたようです。
一方で、私も自分のこれからをどうするべきなのか、明確なビジョンを持たずにいました。
自分のキャリアを再構築するべきか、夫を支える新たな役割に挑戦するべきか、選択肢が多すぎて頭が混乱しました。
周囲の友人たちと話す中で、同じような状況にいる人が多いことも知りました。