友人の結婚式に参加した日のことを思い出すと、心の奥に秘めていた孤独感が再び胸に迫ります。
私は59歳、長年の不妊治療の末、結局授かることができず、そのことが私の心に重くのしかかっています。
結婚式は華やかで、幸せそうな友人たちの笑顔が眩しかったのですが、私の心はその明るさとは裏腹に沈んでいました。
周りの友人たちが次々と子どもを持ち、家庭を築いていく中で、私だけが取り残された気がして、心の中で葛藤が渦巻いていました。
特に、友人の幸せそうなスピーチを聞いていると、自分の人生を振り返らざるを得ませんでした。
夫と共に過ごした年月の中で、何度も妊娠の夢を追いかけ、何度もその夢が破れてきたこと。
夫の浮気が発覚したのは、ちょうどその治療が最も辛い時期でした。
心のどこかで、彼の裏切りがどれほど私を傷つけるかを理解しつつも、彼を許そうとする自分がいました。
私たちの間に築いたもの、そして二人で歩んできた道を考えると、ただ終わらせることはできないと思ったのです。
しかし、結婚式の場で、幸せなカップルたちの姿を見ていると、私と夫の関係がどこかおかしくなってしまった気がしてなりませんでした。
夫婦でこれからの人生をどう過ごしていくのか、考えれば考えるほど不安でいっぱいになります。
夫との会話も減り、何を話せばいいのかもわからない状態で、心の距離がどんどん広がっているように感じます。
周囲の友人たちは、私が不妊治療を受けていることを知っている人もいますが、結婚式の場ではその話題は避けられることが多いです。
彼らにとっては当たり前の家庭を持っていることが、私には遠い世界のように感じられるのです。
そんな中で、私だけが孤独感を抱えているのではないかと、ますます不安になってしまいます。
このような状況を打破するために、私は夫とのコミュニケーションを増やそうと努力していますが、どうしても言葉に詰まってしまいます。
お互いに気まずさを感じているのがわかるからです。