病院の待合室での不安、妊娠の夢が遠のく影
私は今、静かな病院の待合室で座っている。
外は日差しが眩しいのに、ここはどこか冷たい空気が漂っている。
私の心の中もまた、寒さを伴う不安で満たされている。
36歳、結婚して5年になる夫と一緒に子どもを持つことを夢見ていたけれど、現実はいつもその夢から遠ざかっているように感じる。
今日は不妊治療のための検査結果を待っている。
隣で夫がスマホをいじっているのを見ると、彼の表情からも緊張感が伝わってくる。
一緒にいるのに、どこか距離を感じる。
私たちの家事の分担も、最近は不満が募る一因になっている。
毎日仕事から帰宅すると、台所はいつも散らかり放題。
夫は自分の時間を大切にする一方で、私が料理や掃除をするのが当然だと思っているようだ。
そのことを何度か口にしたけれど、彼は仕事で疲れてるし、もう少し待ってくれと言うだけ。
私の心の中には私も疲れているのにという思いが募る。
私の不安が、彼に対する苛立ちへと変わっていくのを感じる。
家に帰ると、子どもがいる生活はどうなるのかと考えると、さらに心が重くなる。
友人たちが次々と妊娠や出産の報告をしている中、私だけが置いてけぼりにされている気がして、孤独感が増す。
彼女たちは私のことをどう思っているのだろうか、心配しているのか、あるいは私のことなんて気にせずに幸せを享受しているのか、考えないようにしているけれど、心の奥ではいつもその不安がくすぶっている。
今の状況をどうにかしたいと思い、思い切って夫に話してみることにした。
待合室で、彼の視線をじっと見つめて、勇気を振り絞った。
私たち、家事の分担についてちゃんと話し合わない?と言ったとき、彼は少し驚いたように目を見開いた。
私の気持ちを理解してくれると思いたい反面、彼がどのように反応するのか不安でいっぱいだった。
彼は一瞬黙り込んだ後、ようやく口を開いた。
俺ももっと協力したいと思ってるけど、どうすればいいか分からないと。