最近、彼と公園で過ごす時間が増えてきました。
穏やかな秋の午後、私たちはベンチに座って木々の葉が色づいていくのを眺めていました。
しかし、その静かな時間の中に、私たちの心の中には大きな不安が渦巻いていたのです。
結婚してもう数年が経ちましたが、子どもを持つことについてはまだ話し合いができていません。
彼が不妊治療を考えていることを知ったのは、最近のことです。
話すときの彼の表情には、どうしても言い出せない思いが詰まっているように見えました。
家族や友人からは早く子どもを持つべきと言われ、特に一番仲の良い友人が最近離婚した話を聞くと、ますます焦りを感じてしまいます。
友人は結婚しても子どもができないと、夫との関係がうまくいかなくなると言っていました。
友人の経験を聞くたびに、私たちも同じ道を歩むのではないかという不安が心をよぎります。
公園での沈黙が長く続くほど、その不安が大きくなっていくのを感じました。
私は、子どもを持つことが本当に私たちにとって最良の選択なのか、自分自身に問いかける日々が続いています。
彼は不妊治療を前向きに考えていますが、私はその決断に対してどこか躊躇いを感じています。
公園で彼が不安そうにしながらも私の顔を見つめると、私も彼を支えたいと思う一方で、自分の気持ちに正直に向き合えていないことに苦しむのです。
このまま何も話さずにいてもいいのか、いや、話さなければ何も解決しないのだと頭では分かっているものの、言葉にするのが恐ろしかったのです。
彼と一緒にいると、彼の期待に応えられない自分が情けなくなります。
公園のベンチから眺める景色は美しいのに、心の中は重苦しい気持ちでいっぱいです。
周囲の友人たちが幸せそうに子どもを連れているのを見ると、羨ましさと同時に焦燥感が募ります。
また、家族からの早く孫が見たいという言葉も心に重くのしかかります。
